佛教大学図書館 貴重書画像データベース

『花洛細見圖』、『十二月(つき)あそひ』、『羅生門』、『いはや』、『洛中洛外図屏風』、『選擇傳弘決疑鈔』、『漢書』、『丹鶴叢書』、『法然上人形状絵図』、『大江山奇譚』、『十六羅漢圖賛集』をコンテンツとして公開しております。インターネットに接続できるコンピュータ環境であれば、どこからでも閲覧できます。

  • 十六羅漢圖贊集

    十六羅漢圖贊集

    牧田諦亮氏旧蔵 図書館受贈後、修復改装

    『十六羅漢圖贊集』には、文久二(一八六二)年版本、文久三年版本、文久四年版本、さらには昭和初年版本などがあるが、本書はこれら刊本の原本である。刊本とその内容に差異があるのは、刊行のさいに手直ししたためであろう。増上寺関連の漢詩を集録した『緑山詩叢』を徹定が刊行したのは、嘉永三(一八五〇)年秋である。三十七歳の徹定は、増上寺新谷学寮にあって後進を薫育していた。『十六羅漢図贊輯録』の編纂を終えたのもこの年であり、徹定のひたむきな研鑚の日々を知ることができる。

    (『佛教大学図書館蔵貴重書図録(1997年発行)』より)

  • 大江山奇譚

    大江山奇譚

    『大江山奇譚』(『酒呑童子』)には、美しいとばかりは言えない場面が多々見られ、奈良絵本製作の目的のひとつであった貴族や大名の姫君たちの嫁入り調度品としては、あまり似つかわしくない部分も多く含んでいる。

    同じ主人公による鬼退治談ではあっても、『羅生門』には都でのシーンが多く登場するのに比して、『大江山奇譚』はその名のごとく、都の郊外、荒々しい千丈ヶ嶽(大江山)、不気味な鬼ヶ城を描く場面に絵や詞の多くが割かれている。

    人間が足を踏み入れることもできないような険しい山中で、酒呑童子は都の貴族のような屋敷を構えて、客殿や庭のしつらいまでなされた、表向きにはひじょうに豪華な暮らしをしている。客殿の床の間には何の本なのかはわからないが、冊子と巻子が並べられている図もあり、知的な生活空間であることさえうかがわせる一方で、『羅生門』にはみられないような鬼の生活習慣について、当時の人々が考えていた残忍な鬼の行為が具体的な表現で描かれている。もちろん架空の話なのではあるが、そのうらにはある種、人間の思想が存在するはずであり、それらを考えるうえでも重要な要素を含んだ作品といえる。

    『常照-佛教大学図書館報 第59号』より

  • 法然上人形状絵図

    法然上人形状絵図

    「四十八巻伝」は、舜昌法印が後伏見院の命をうけて、徳治二(一三〇七)年から十余年をかけて制作したもので、知恩院本(国宝)および当麻寺奥院本(重要文化財)とがある。これら二種の伝本は、人物の向きや建物の模写においてその細部に異同が認められる。本学蔵本をこれらの伝本と比べてみると、詞書の字配りや図様(ただし、人物の相好などは細部を臨写、彩色を加えている)など、すべて当麻寺奥院本と一致するところから、奥院本に基づいた模写本と考えてよいであろう。
    表紙には「佐野文庫」(朱の楕円形)の印が、本紙巻頭には「堀田文庫」(朱の重郭長方印・堀田正敦の蔵書印)、「裕斎」(朱の楕円形・裕斎は堀田正敦の息で、堀田正衡の号)の印が捺されている。この模写にあたっては、堀田正敦・正衡父子が関与していたものであろうか。堀田文庫蔵本は現在もなお堀田家に襲蔵されてはいるが、この「四十八巻伝」の僚巻は現存していない。奥院本を転写した伝本としては、現在、本学蔵のみである。
    (『佛教大学図書館蔵貴重書図録(1997年発行)』より)

  • 丹鶴叢書

    丹鶴叢書

    『丹鶴叢書』は紀州藩附家老・水野忠央(みずのただなか 一八一四―一八六五 新宮城主、丹鶴と号す)の輯刻になるわが国の代表的叢書のひとつである。同叢書は弘化四(一八四七)丁未年から年を追って、戊申(一八四八)年、己酉(一八四九)年、庚戌(一八五〇)年、辛亥(一八五一)年、壬子(一八五二)年、癸丑(一八五三)年、と数点あるいは十数点ずつ計百五十四冊が刊行されている。

    また、これらの叢書とともにほぼ同時期に外書と称される図書が数点刊行されている。「丹鶴外書」と冠した『大系圖画引便覽(おおけいずかくびきべんらん)』および『丹鶴圖譜(たんかくずふ)』『千歳例(ちとせのためし)』などである。

    『常照-佛教大学図書館報 第56号』より
    ※電子資料庫では丹鶴叢書の一部を公開しております。

  • 漢書(朝鮮古活字本)

    漢書

    本書は完本ではなく、全三十六冊のうち原本は三十一冊で、列伝第一九から第二十五、第四十から第五十二までの四冊は和刻本の漢書評林を配している。
    本書の巻尾にみえる朝鮮国(李朝世宗)寛徳三(一四二八)年の銅活字版印刷についての下季良の跋文と、寛徳六年の刊記により、朝鮮で庚子字(世宗二年[永楽一八年]鋳造)により印刷されたものであることはわかる。本書の祖本となった宋版漢書は、景祐刊誤本以後のもののようであるが今は不明である。
    なお本書には室町時代の京都五山の僧と思われる人の訓点や書入れが多くある。今のところ、本書はこの種のものでは世界の孤本で、非常に価値あるものである。
    参考文献 平中苓次「朝鮮古活字本漢書について」(『中国古代の田制と税法』所収)
    (『佛教大学図書館蔵貴重書図録(1997年発行)』より)

  • 選擇傳弘決疑鈔

    選擇傳弘決疑鈔

    浄土宗第三祖然阿良忠(1199-1287)の撰述にかかるもので、著作五十余帖を数えるなかで、『観経疏伝通記』とともに彼の代表的な著作物である。弁長より授けられた『選択集』を注解し、適宜に問答体によって、異流の義を論派したもので、建長六(1254)年の作。はじめは在阿の要請時では四巻本であったが、建治三(1276)年以降は、五巻本(再治本)となった。
    本書には、十三種の版本と三種の写本が存在しているなか、写本では本館所蔵本と鎌倉光明寺良暁(1251-1328)書写本、断簡として金澤文庫がある。この本館所蔵本は、奥書から良忠没後十三年にあたる永仁七(1299)年に良忠自筆の再治本から書写したもので、佐介御房とあるから悟真寺に伝承した書写本であろう。また良暁本と較べると字体等によりほぼ同時期のものではなかろうか。

    (『佛教大学図書館蔵貴重書図録(1997年発行)』より)

  • 十二月(つき)あそひ

    十二月(つき)あそひ

    正月から極月(十二月)にいたるまで内裏、京の町々を中心に伝わる年中行事や遊びの数々、季節の自然などが月ごとに描かれ、その様子が絵と詞、交互に書き連ねられています。京都に住まうものにはなじみの深い地名や、「人の心を迷わし悩ます」という花の名所も多く登場します。いまに伝承される行事や風物もありますが、この絵巻が製作されたころ(江戸中期ごろか)と現在とでは違ったかたちで残っているものなども多く、比較しながら楽しむこともできます。

    『常照-佛教大学図書館報 第52号』より

  • 羅生門

    羅生門

    『羅生門』絵巻は平安時代の武将・源頼光(九四八〜一〇二一)の鬼退治武勇伝に源氏伝来の名刀伝説を織り交ぜたものがたりで、舞台は平安京、成立は室町時代中期頃といわれています。このものがたりには羅城門のあった現在の千本九条あたりはもちろんですが、多田、摂津国、丹波国・大江山、堀川通り一条戻橋、正親町の橋詰、二条大宮、八条坊門、男山、大和国・宇陀の郡、二条の御所、河内国・高安の里、唐土、長岡、横川等の地名や場所がみえます。

    『常照-佛教大学図書館報 第53号』より

  • 花洛細見圖

    花洛細見圖

    古今刊行されつづけている京都本のひとつです。元禄十七(一七〇四)年の序をもち、表紙題簽には「寶永」と冠する地誌ですから、江戸期の京都本のなかでは中期にかけてのものといえましょう。元禄時代の京都は町人文化が花開いた時期といわれます。商業出版も盛んになり、書肆が多く立ち並び、本学に近い西陣は機織の音もさぞかしにぎやかだったと思います。「花洛」とは花の都京都のことであり、京都の社寺仏閣や花の名所とともにおもな年中行事があわせて紹介されています。

    『常照-佛教大学図書館報 第54号』より

  • いはや

    いはや

    『いはや』の書名については、置き去りにされた主人公の姫が一時期育てられた住居に因むものであり、『岩屋の草子』『岩屋』『岩屋物語』『岩屋姫物語』『対の屋姫物語』などの多様な名称で呼ばれている。本文系統についても、和歌を多く含む本文から簡略化された表現の本文をもつものまで多様な形で伝承されており、現在は散佚して存しない王朝物語『いはや』を改作した御伽草子といわれている。

    『常照-佛教大学図書館報 第58号』より

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  • 洛中洛外図屏風

    洛中洛外図屏風

    『洛中洛外図屏風』は、国宝の上杉本をはじめとして、十六世紀ごろからさかんに製作され、近世京都の様子を視覚的にうかがうことのできる重要な資料である。本学所蔵本もそのひとつであり、左右一対、各隻六曲の画面に京都洛外の景色、洛中の町の様子が描かれている。本屏風左隻第四扇に位置する二条城には、現在は失われた天守が描かれており、城門に入る御所車の列が見える。寛永三年(一六二六)、天守の完成にともなって行なわれた後水尾天皇行幸の様子を描いているものと思われ、製作年代はそれ以降であることがわかる。

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