BO009100003859 |
後期中観思想の形成とダルマキールティのプラマーナ論 : 推理(anumana)による無自性論証の成立根拠 |
カマラシーラ(c.740-795) のMadhyamakaloka (Mal)における一切法無自性を証明する際の推理(anumana)論の特徴を究明する。それは、非実在なもの(例えば虚空等)をダルミンとする場合は、知におけるダルミンや名称のみの単なるダルミン(kevaladharmin) として、また能証と所証を単に排除のみとして証明する。その際、同一性(tadatmya) と危慎される能証と所証の無区別の問題に関してはダルマキールティのアポーハ論、シャーキャプッディの否定対象(ldog pa,vyavrtti)の区別論の活用により対応するものである。他方、特殊な学説(siddhanta) によるものではなく言語行為として成立しているものをダルミンとする場合は、言語行為としての三種の能証(結果、自性、無知覚因)により対立関係、遍充関係、因果関係は言語行為として成立すると立論する。また、因果性(tadutpatti)に関しでもダルマキールティの見解により概念知(kalpana) によると解釈し、同一性の関係と共に非実在にも適用可能とする。すなわちカマシーラはダルマキールティが肯定的推理、否定的推理を実在(vastu) により実在を証明するとするに対し、言語行為により言語行為を明らかにするという推理論を確立している。そこにはダルマキールティの理論の活用、逆用、批判がある。したがって、推理論に関するMaI前主張はダルマキールティの理論からなると見られる。それに対しカマシーラは後主張で以上の推理論に立ち、それを中観の理論の再構築として自、他、自他の二、無困からの不生の能証や一多を欠くことの能証を能遍の無知覚因(vyapakanupalabdhi) として無自性を証明する推理論を確立している。 |
ダルマキールティ, シャーキャブッディ, カマラシーラ, Madhyamakaloka, vyavahara |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
森山清徹 |
MORIYAMA Seitetsu |
文学部論集 |
佛教大学文学部 |
09189416 |
91 |
53 |
72 |
2007年03月01日 |
https://bukkyo.alma.exlibrisgroup.com/discovery/openurl?institution=81BU_INST&vid=81BU_INST:Services&rfr_id=info:sid%2Fsummon&rft_dat=ie%3D21286747140006201 |
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BO/0091/BO00910L053.pdf |
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_BO009100003859 |
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