KG000800000385 |
公任の『和漢朗詠集』の編纂方法私見 |
藤原公任撰『和漢朗詠集』については、従来から軍記、説話の文飾の典拠や『堀河院百首』以降の和歌の本説、本歌の典拠として、主に資料的価値から論じられてきた。本稿では、編集者公任に注目し、『和漢朗詠集』の上巻の構成、及び、項目内での詩歌配列に編集の工夫を見たい。『和漢朗詠集』の構成は『古今集』を範に、春秋対称に項目が立てられていることが指摘されている。しかし対称性は項目名だけでなく、例えば「春興」「秋興」の色の対(つい)など、採録されている詩歌の表現にも見られた。又、対称性は春秋に限らず例えば「夏夜」「秋夜」の和歌にも見られた。編集の工夫は、別々の典拠の和歌を対話しているかのような配列にも見られる。さらに、和漢に通じる公任らしく和漢で異なる素材や詠み方の違う素材「霞」「花橘」の詩歌を一つの項目にまとめ上げている。さらに『和漢朗詠集』編集の大きな特徴は、「閏三月」等のように、日本漢詩句や和歌の発想の基となった中国漢詩句を項目冒頭に掲げ、文学史的展開を項目内の配列によって示す点である。 |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
田中幹子 |
京都語文 |
佛教大学国語国文学会 |
13424254 |
08 |
22 |
41 |
2001年10月06日 |
https://bukkyo.alma.exlibrisgroup.com/discovery/openurl?institution=81BU_INST&vid=81BU_INST:Services&rfr_id=info:sid%2Fsummon&rft_dat=ie%3D21299604520006201 |
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/KG/0008/KG00080R022.pdf |
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_KG000800000385 |
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