BO010700011473 |
「愛らしき口もと目は緑」について |
On “Pretty Mouth and Green My Eyes” |
J・D・サリンジャーの「愛らしき口もと目は緑」という短編小説は、ほとんど全ての作品において若者ばかりを描いてきたサリンジャーにとっては、大人の男女の情事を扱っているという点で極めて異質な作品である。これまで多くの批評家は、サリンジャーがその作品中でずっと描き続けた「無垢と欺瞞」といったテーマからこの作品を解釈しているが、本論文ではそれ以外の解釈の可能性を追求している。まず、この作品を解釈する際に、物語のエンディングにおいてアーサーがリーに対して、なぜジョーニーが帰宅したと嘘をついたのかが重要となることを指摘した上で、それはアーサーがリーを心配させないためについた嘘であったという可能性、アーサーの精神的破綻を示すものであるという可能性、さらに、実はアーサーは巧妙な策士であったという可能性を提起している。結論としては、これまでほとんど批評家によって指摘されてこなかった、実はアーサーは巧妙な策士であったという解釈が可能であることを論証している。 |
サリンジャー, 「愛らしき口もと目は緑」, アーサーの嘘, コンテクスト |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
持留浩二 |
MOCHIDOME Koji |
文学部論集 |
佛教大学文学部 |
09189416 |
107 |
45 |
61 |
2023年03月01日 |
https://bukkyo.alma.exlibrisgroup.com/discovery/openurl?institution=81BU_INST&vid=81BU_INST:Services&rfr_id=info:sid%2Fsummon&rft_dat=ie%3D21286747140006201 |
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BO/0107/BO01070L045.pdf |
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_BO010700011473 |
公開中 |