人間が今まで営んできた宗教生活において、「救い」と言う要素は重要な部分を占めている。この小論においては、民俗信仰における「救い」とはどういう要素を内包するものであるのか、そのことについて考えていくための端緒となるものである。まずは,「救い」と言う宗教生活の1要素のなかから、「癒し」という局面について論じられていることについて概観する。次に、島薗進が論じている新新宗教の持つ特質について概観する。最後にこれまで概観してきたことをふまえながら、「救い」とは主体的な局面を強く持つものなのではないか、と考えていく。 |