質的社会調査は対象者の意味世界のデータを第一次資料として収集し,それを解釈し分析することを目的にする。現象学的社会学では,対象者の意味世界は対象者自身によって一次的に構成されており,その一次的意味構成に基づいて社会学者が二次的に意味を構成するものと考えられる。インタビュー調査では調査者の質問に対象者が答える形態をとるたあ,調査者が対象者の一次的意味構成に影響を与えることになる。そのため,調査者の主観を適切にコントロールして対象者から語りを聴き出す必要がある。また,インタビュー後に録音をトランスクリプションするときも,対象者の一次的意味構成を損なわないように調査者の主観をコントロールする必要がある。最後に,テープ起こしされたトランスクリプトに基づいて対象者の一次的意味構成を要約して示す際も,調査者の主観を適切にコントロールする必要がある。 |