聖と俗は解りやすいようで、難しい宗教的要素である。これを、一般的に行われている信仰儀礼(冠婚葬祭)などを事例にあげながら、それを考えるための要素の一つとして、その構成を試みようと言うのが、この論文で行おうとしていることである。まずは従来の研究者の学説をオットー、デュルケム、エリアーデの3人を中心に述べることで、検討を試みる。次に宗教経験という考え方から、人と聖なるものとの関係性について考えてみる。そして、従来の研究と宗教経験という考え方をふまえて、民俗信仰と宗教経験という二つの軸を用いて、聖と俗についてとらえていくものである。 |