KG001800000532 |
生命主義哲学から生命主義文芸論への階梯 : 生命主義者としての西田幾多郎、その小林秀雄に与えた影響の一側面 |
本稿では、西田幾多郎の思想を生命主義に位置づける観点が現れてきた経緯を概観し、実際にそれが生命主義の観点から読み解き得ることを例証した。また西田の周辺にあって相互に密接な関係をもっていた、高村光太郎「緑色の太陽」、和辻哲郎『ニイチェ研究』、および阿部次郎の著作等に共通して見られる特質が、「生の哲学」や生命主義の萌芽期にあたる思潮とは区別される「大正生命主義」に属するものであることを例示し、とりわけ『善の研究』とあわせて「緑色の太陽」、『ニイチェ研究』が、その成立過程の探索に重要な鍵となる事実を指摘した。人格主義と生命思想の融合という特質をもった大正生命主義の主たる起源はおそらく明治初期より存続する芸術教育論思潮にあり、登張竹風の著作等がそれを示唆している。西田幾多郎の『善の研究』、および大正期の著作もまたその中に位置づけられ、さらにそれらが小林秀雄の生命主義的な文芸論の一源流となっている事実を例証した。 |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
有田和臣 |
京都語文 |
佛教大学国語国文学会 |
13424254 |
18 |
153 |
173 |
2011年11月26日 |
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