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官位・昇進に関する叙述からみた『源氏物語』の特色 : 物語と史書 |
本稿は平安時代における現実の昇進制度と、『源氏物語』に叙述される官位や昇進秩序とを比較検討し、物語の特色を考察したものである。主に論じたのは次の三点。(1)律令制下の昇進制度から平安時代的なものへ変化したのは九世紀半ばから十世紀初頭である。これ以前の例を用いることで、読者に源氏の特異性を印象付ける効果を与えた可能性がある。(2)兼家以降に出現した摂関子弟が辿る特別な昇進慣例があえて描かれない点に、従来の慣例を破り急激な官位上昇を果たす当時の風潮に対する作者の批判が読み取れる。(3)六国史では描き出せない世相批判を、中国史書等の叙述方法に学び、仮名での叙述によって試みたのが『源氏物語』ではないかと考える。 |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
佐古愛己 |
京都語文 |
佛教大学国語国文学会 |
13424254 |
23 |
117 |
139 |
2016年11月26日 |
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https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/KG/0023/KG00230R117.pdf |
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