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恋文の稽古 : 書儀(月儀)・往来・幼学・注釈 |
『婦人寐寤艶簡集』は毎月一対の男女往復書簡(必ず男先女後である)を十二ヶ月に配した往来物の形態に似たつくりである。手紙文の下には割り書きで文句の注釈や出典の説明が施された注釈が付随していることも特に注目される(手紙の本文のみが単独に手習いの手本などとして流布した証拠はない)。手紙文と注釈は恐らく同一人によって書かれたものであろう。その撰者は題記に蘇軾の玄孫蘇轂と明かされるが、もとより信を置くことはできない。何人かの擬託書であると考えられるが、中国で撰述されたものか或いはまた日本人の撰述したものかについて、厳密な検討がなされないまま今日に至っている。この本は十五世紀末に『温故知新書』という古辞書の編纂資料として利用されており、引用例はわずかであるが重要な情報を伝えているように思われる。更に最近、王三慶によって明代の月儀書(時候の挨拶の文例集)であるとの指摘がなされている。これらの先行研究を批判的に吸収した上で、『艶簡集』の性格を明らかにしてみたい。『婦人寐寤艶簡集』には室町末・江戸初期の複数の写本と一種類の江戸初期版本が知られる。版本と写本の比較を通して近世初期の版本本文の生成の跡を辿ってみたいと考える。 |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
山崎誠 |
京都語文 |
佛教大学国語国文学会 |
13424254 |
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40 |
54 |
2017年11月25日 |
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