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平安時代前期における桜の落花と雪の見立てについて : 『万葉集』にみえる庭園での落花と雪の見立てとの比較から |
貞観八年(八六六)閏三月一日、太政大臣藤原良房の染殿第において、清和天皇を招いての盛大な観桜の宴が催された。そこでは、「落花無数雪」という題のもとで詩会が行われたのであるが、この題に関しては白詩を出典としていることは指摘されているものの、同時代の歌における落花と雪の見立て表現との比較検討は不十分である。そこで本稿では、貞観期を含む平安時代前期の歌において、落花と雪の見立てはどのような表現として用いられていたのかという問題について考察することで、良房邸での詩宴において「落花無数雪」という題が成立した背景を明らかにした。その結果、『万葉集』や『古今和歌集』における落花と雪の見立ては、庭園で用いられた場合には、庭園の花樹やその庭園を管理する主人を賞賛する意図を持つ表現であることが分かった。そこから「落花無数雪」の成立の背景にも、良房邸の桜花を讃える意図があったと結論づけた。 |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
西野裕子 |
京都語文 |
佛教大学国語国文学会 |
13424254 |
30 |
73 |
95 |
2022年11月26日 |
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https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/KG/0030/KG00300R073.pdf |
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