KG003100011799 |
『鈍吟書要』に見られる道学思考のかたちに就いての一考察 |
中国の明末清初の時代、頽廃と復興の混乱の社会風潮の中で、当時の王道であった董其昌の書法にも、批判が加えられ、新たに道学思想を復古的に盛り込んだ強固な書論が誕生した。その作者、馮班の意図するところは、何だったのか。何を企図したのか。中国書論史に於いて近世以後、蘇軾・黄庭堅・米フツに代表される外向型(陽明学系)、個性系の思惟潮流が脚光を浴びる裏面で、やや日陰で朱子学的な内向型の精神書論も同時に研究されていたが、それが一つの節目として、ここで登場する。趙孟フの書を朱子学、董其昌の書を陽明学の反映とみる観方を突き抜けて、朱王一致の時代を象徴する両者の結実の書論を構築した、馮班の思考構造を垣間見る。「本領論」として立ち上がるその復古的姿 (尚古主義 )は、どの領域でもであるが、「古典」を学ぶことが高尚であって、それは「俗」と相反するからである。動乱の時代に求められた法帖学のカタチ。その馮班の『鈍吟書要』を、思想として読み解き、その存在意義を検討する。 |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
松宮貴之 |
京都語文 |
佛教大学国語国文学会 |
13424254 |
31 |
301 |
312 |
2024年02月29日 |
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