SK001700002374 |
貞慶の笠置寺再興とその宗教構想 : 霊山の儀礼と国土観をめぐって |
Revival of Kasagidera by Jokei and His Religious Ideology : The Sacred Mountain and National Concepts |
貞慶の宗教活動に関わる研究は多く、彼が笠置寺に遁世し、そこを再興したことはよく知られる事績である。しかし従来その「意義」ということについては、踏み込んだ議論がなされていないように思われる。よって本稿では、貞慶がいかなる宗教構想に基づき笠置寺を再興したのかという視点から、願文・勧進状・表白などの唱導史料類を中心として、笠置寺の堂塔や儀礼に対し詳細に分析を加えた。その結果、貞慶は日本を「神国=仏国」として神聖視する肯定的国土観を、表明する儀礼の劇場へと笠置寺を造り変える構想であったことを明らかにした。そして在地の民衆的な霊場寺院に近いものであった笠置寺が、国家的な信仰空間としての意味を獲得していく過程で寺院経営にも変化が認められる。それを中世顕密寺院たる笠置寺の成立として評価するとともに、平家による焼き打ちから南都の宗教世界が再生していく運動の中に、笠置寺再興も確たる位置を占めるものであったことを結論した。 |
笠置寺, 貞慶, 国土観, 神国思想, 南都仏教 |
Departmental Bulletin Paper |
日本語 |
舩田淳一 |
FUNATA Junichi |
佛教大学総合研究所紀要 |
佛教大学総合研究所 |
13405942 |
17 |
159 |
186 |
2010年03月25日 |
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